日本のロック・メディアが選ぶ2014年ベスト・アルバム / JAPAN

Japanese Music Media's choice
日本のロック /インディー・ミュージック寄りの音楽メディアのランキングを基に独自のベスト・リストを作成しました。ある程度大衆を意識したミュージックマガジン、ムジカのチョイスを基に、クッキーシーン、サイン・マガジン、エレキング、そして私が関わったビーハイプでの評価を相対的に考慮しています。今年を代表し、数年のちまで残るか?ということも考えました。



1. 坂本慎太郎Shintaro Sakamoto『ナマで踊ろう(Let’s Dance Raw)』 

個人的2014年ベスト・アルバム / JAPAN


1. 前野健太『LIVE with SOAPLANDERS 2013-2014』 

LISTEN

ジム・オルークによるプロデュース、ソープランダーズの鉄壁のバックアップを得て、彼は日本の伝統的な歌謡曲を再定義した。壊して生かす。彼独自の身体感覚、言葉選び、リズムで捉えなおす。

ひなたぼっこの中で孤独を共有する会

今から記す文章は1987年の精神神経学会誌よりの引用です。

ある地域、ある病院にかつて存在したデイケアのありようを示す論説です。私がこれを記すのは、こういった考え方が私に安堵をもたらすからであり、同時にある種のアートについて、理想の提示方法だと思ったからです。

振り返って、平凡、非凡に関わらず、いかに多くの似非ポップな表現が他者の居場所を侵食し破壊しようと振舞っているか。そういったことへのささやかなアンチテーゼとなりうると思うからです。



『ひなたぼっこの中で孤独を共有する会』。それは「非」対象化であり、互いの特異性を確認しあうことである。それは真の意味での「他者との交感」「世界との交感」である。 それは革命組織や70年代の学生運動のような「全く同じ思想の共有、深い一心同体の関係」とは趣を異にする。深い関係ではなく、浅く豊かな関係である。その関係の中では「私」はつねに「私」に返される。「あなたのことはあなたでやりなさい」という形での私(個人としての私)ではなく、「俺はあいつとはやはりちょっと違うんだな」と感じる私(特異な存在としての私)にいつも返される。それが相互の特異性、相互の孤独を確認する集まりである。

CRUNCH /Homecomingsと80年代ポップス

京都のホームカミングス「I Want You Back」は彼らなりのクリスマス・ソングだそう。あるイベンターは「名古屋のCRUNCHと京都のホームカミングスをタイバンさせたら合うね」といい、ある友人は「ホームカミングスのギターはジョニー・マーっぽい、ザ・スミスがクリスマス・ソングっぽいのか?」といいます。

ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』 -ボーダーラインと創造性

ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』を読んだ。

ART-SCHOOLというロック・バンドは、特に初期、歌詞の題材を文学に求めていたが、「MISS WORLD」で歌われている村上春樹『蛍』(あるいは『ノルウェイの森』)と並んで、というかより直接的に「車輪の下」という曲がある。ライヴ定番曲でもある。だから気になっていたし、そもそも古典だ。

ちくさ座『うずうず』でのバイセーシ LIVE REVIEW

2014年12月21日ちくさ座『うずうず』行ってきました。


80年代風ディスコ・トラックとラップ調の語りで市井の人々のリアルを切り取るクリトリック・リスことスギムさん。あたかも様々な人生をDJミックスするかのように彼が叫び、歌い上げた後、次にステージに現れたのは、大阪の4人組バイセーシ。(ki-ft review バイセーシ: 龍 )

tigerMos REVIEW

 シーンの主流からはみ出しているからこそ生まれるトリックやミラクルがある。名古屋のインディー・シーンでも《THISIS(NOT)MAGAZINE》の周辺に、そういった異端かつ奇異なミュージシャンが集まっている。6eyes(シックスアイズ)やMILK(ミルク)のようなポスト・パンク/ハード・コア系のバンドから、ジョンのサンやYOK.(ヨック)のような叙情的アーティストまで様々だが、最近注目されているtigerMos(タイガーモス)は特に変わったユニットだ。アメリカ帰りのSSWイケダユウスケが、レミ街のキーボード/トラック・メイカーの荒木正比呂を誘って結成し、幻想的なフォーク、サイケデリア、エレクトロニカを折衷したサウンドをバックに、優しく滋味深いファルセットで歌い上げる。

COOKIE SCENE REVIEWジョセフ・アルフ・ポルカ「天声人語」より)

より大地に根ざしたAriel Pinkというか、名古屋のRadioheadというか、こういった比喩は凡庸で、往々にして正確ではないのだけど、そう例えさせてください。tigerMos(タイガーモス)のライヴ観てきました。彼らは来年2015年、ついにアルバムをリリースするとか。