tricot "A N D" INTERVIEW





以下は海外メディアbeehypeで行ったtricotインタビュー原文です。


1.「E」について

イッキュウ: 曲作りはいつもGtリフから広げて行くのですが、この時もそうで、イントロのGtの雰囲気と、その時たまたま風邪を引いていた事もあって仮タイトルが「ウイルス」でした。
ウイルスという言葉を聞いて当時パッと思いついたのが、SNS上の乗っ取りなどでした(私も最近乗っ取られました)。

でも、それは歌詞を書くにあたってのきっかけであって、テーマは乗っ取りですが、それをもとに聴く人の中で自分なりの色んな解釈をしてほしいなと思いました。関係ない事を歌っているのに、何かこの気持ち分かるなって言葉に出会ってもらえたら嬉しいです。


ヒロミ: 私は歌詞を書いていないので演奏面で言うと、スリリングな感じと爆発的な勢いというか、強さみたいなものを表現できたらなぁと思っていました。



2.新しいドラマーを探しているのですか? セッションで得たもの

イッキュウ: 今は正直、新メンバーとしてドラマーを探す!と意気込んでいるわけではありません。結成した当初から、3人ならではの感覚が存在していて、この3人が今の‟tricot”だと思います。この3人で作るtricotの音は、今も昔も揺るぎないものだと気づきました。

今はこのtricotという個性と、他の個性とが正面からぶつかったり、時に鳥肌の立つくらい交わったりして生まれる‟偶然”を楽しんでいます。刺激的で、楽しいです。でも、今の形は正々堂々と「バンド」と呼べるのかは分かりません。いつかは正式にドラマーをメンバーとして迎え入れるのかもしれないし、やっぱり無理かもしれません。

メンバーが一人抜けると言う事は、バンドにとって最大のアクシデントだったのかもしれませんがそれによって確かなtricotの形を見つけたような、逆に自由度が広がったような、不思議な清々しい風が舞い込んでいる気がします。


キダ: 新たにメンバーとしてドラマーを入れるというのは今は特に考えていません、求めてはいますが焦らず続けていっていずれ出会えたらいいなあー、ぐらいに考えています。それよりも今は様々なタイプのドラマーと共演してこれまでの自分たちに無かった技術や発想との出会いを楽しみたいですね。


ヒロミ: 特に将来のドラマーを選ぼうとは思っていません。良い出会いがあればそうなるかもしれません。今回のセッションで得たものは、自分の中の引き出しが増えたことです。素晴らしいドラマーの方々とセッションして、自分の曲に対する視野も広がりました。



3.サポート・ドラマーについて、また好きなバンドを教えて下さい

イッキュウ:  千住宗臣さんは、後藤まりこさんのバックで叩いておられる時、BOBOさんは-MIYAVI-さんで叩いておられる時に生でプレイを見て、どちらも衝撃的で、一目惚れのような感覚でした。

脇山広介さん、山口美代子さんに関しては、マネージャーから教えてもらい、是非音を合わせてみたいと言う事で出会い、音を合わせてみると気持ちよくて、ぶっ飛びそうでした。

刃田綴色さんに関しては東京事変で知り、大きい会場でのライブや画面上でした見た事が無かったので、まさか一緒に演奏出来る日が来るとは思っても見ませんでした。すごい事になりそうだとは思っていましたが、どの曲も予想以上です。最高です。

ちなみに紹介したいバンドは、NMEで挙げていたバンドと、AlaskaJamマイクロコズムです。


キダ: 東京事変はとても好きなバンドで、バンドを組む前にソロで活動していた時から椎名林檎氏の音楽を聴いていて、とても影響を受けました。他のドラマーについては彼らの所属していたバンドを観て、というより、彼らがサポートしていたアーティストを観ていて、とても好みなプレイで一緒に音を鳴らしてみたいと思い声をかけました。


ヒロミ: みんな良い意味で変態バンドというか、心からかっこいいなと思うバンドばかりです。自分の憧れていたバンドのドラマーの方々と今回の作品を作ることができて感無量です。

あと、姫路のバンドでめちゃくちゃかっこいいbachoというバンドがいます。



4.自主レーベルで続けているわけ

イッキュウ: 結成当初は、とにかく作った曲を皆に聴いてほしいと言う気持ちが強くて、曲が出来るたびにスタジオで録音し、My SpaceやYouTubeを使って公開し、Twitterで告知して皆に聴いてもらいました。こういったネットや口コミだけで誰でも音楽を広げる機会が持てる時代だったからこそ、皆の「カッコいい!」という反応などを直に感じることができて、自分たちの音楽をより信じれる一つのきっかけになったと思います。

たくさんの良い反応をもらい自信がついて、「このまま自分たちだけで何処までやれるか試してみたい」と言う気持ちが生まれました。そして今のマネージャーに出会い、さらに大きな所まで自分の信じた人たちだけで、自分のやりたいやり方のままで行けると感じたので、現在もずっと自主レーベルと言う形でやっています。

だからといって、誰にも頼らずにやっているわけではありません。たくさんの人に愛されやって来れたと思っています。


ヒロミ: 一番は私達と一緒にやってくれているスタッフのお陰です。あとはこのメンバーとなら何でもできるし怖いもんは無いと思っているからです!根拠は無いですが、そう思えるメンバーとスタッフに出会えたからここまで自分達だけでやってこれたのだと思います。

イッキュウ: BAKURETSU RECORDSはたったの5人ですが、その周りにはたくさんの愛すべき人たちが居ます。自主レーベルだからこそ気にかけてくれる人も居ます。不器用ながらもこのスタイルで何処まで行けるのか、挑戦し続けたいと思います。