ジム・オルークのチェンバー・ポップ編成での新作をくりかえし聴いている。前野健太、石橋英子、カフカ鼾とプロデュース、コラボレーション作が続いていたが、ついにジム・オルーク本人がヴォーカルをとったリーダー作だ。珍しい楽器、手法や即興を繰り返し突き詰めた上でシンプルかつポップなメロディー、うたものに回帰したのが近年のジムの作風。本作は50年代以前のアメリカン・ポピュラー・ミュージックを思わせる壮大なアレンジと、ジムが愛するレッド・ツェッペリンのようなクラシック・ロックが持っていたグルーヴ感が全編を貫いている。